N.T / 井田ラボラトリーズ キャンメイク部 企画
高校生の頃から、化粧品会社に勤めるのが夢でした。具体的につくりたいコスメがあったわけではなく、大人になっても自分自身がトキメキを感じられるものに関わる仕事がしたかったのです。こんなざっくりした動機でいいのかと少し悩んだ時期もありましたが、当時のIDAグループのリクルーターが、私が愛用している『クリームハイライター』を企画した方だったことに感動して、入社を決意しました。
入社後はアイメイクチームに配属され、これまで様々な商品を企画してきましたが、一番印象に残っているのは入社2年目に担当した『パーフェクトエアリーアイブロウ』です。お客様に長年愛されてきたアイブロウペンシルを廃盤にして、新商品として発売することになりました。事前に寄せられたお客様の声をもとに、スクリューブラシは絶対つける。アイブロウメイクが苦手な人が多い印象なので、楽しい気持ちになってもらおうと、パッケージは白から可愛いピンクに差し替え。眉頭をパウダーで仕上げる手間を省くため、これ1本で完成するようにパウダー成分を増やし、エアリー感を出す。そして、シールなどの色数や容器に入れるパールを抑えて、価格をワンコインに収める……。
できることをすべてやりきった結果、コスメサイトで新人賞を獲得。別商品のCM撮影に立ち会ったときには、プロのメイクさんから「これすごく描きやすいから、いつも使っていますよ」とほめていただきました。すごく嬉しかったですね。
当社の企画は、商品づくりの全プロセスに携われる仕事です。OEMメーカーなどのお取引先様からは、「全部一人でやってるんですね」と驚かれることもあります。大変ではありますが、コンセプトシートという1枚の紙に企画内容を書くことからスタートし、たくさんのプロセスを経て完成した商品にはどれも愛着が湧いています。
プロセスの中で私が一番好きなのは、色名を考えること。例えば『ジューシーピュアアイズ』(アイシャドウ)の“チャイティーローズ”という色名。これはベージュを可愛く表現するために、カフェやアイスのメニューなどを参考にして付けました。私が考えた色名を、お客様がSNSやクチコミサイトでたくさんつぶやいてくださっているのを見ると、とても不思議な感じがしますね。「色名可愛い!」というコメントをいただけると、次も頑張ろうという気持ちになります。
私はやっぱり、可愛くて、トキメクものが好きなんです。私が楽しみながらつくった商品には必ずその要素があり、お客様が喜んでくださるのも「可愛くて、キュンとする」からでしょう。就活中は「それでいいの?」と思っていましたが、今はむしろその感覚を大切に持ち続けていたいです。そして、企画の先輩たちが何年、何十年とお客様に愛される商品を生み出してきたように、私もアイメイクでロングセラーとなる大ヒット商品をつくり、ブランドに貢献したいと考えています。